生贄いじめの「公務員制度改革」
最近、友人と飲む機会があって、公務員制度改革について、相当不満を持っていたようでした。
その友人は公務員で、かつ「組合」という、職員組織のメンバーであることから、若干差し引きしなければならないところはあると思いましたが、あまりのひどさに、私も怒りを覚えたため、こうして記事として公開します。
なお、確認したところ、「法律で明記されている部分について書くのなら、守秘義務違反にはならない、むしろ積極的にさらしてやって欲しい」とのことでした。
まず一つ目の不満は、「給与制度改革」とのことです。
全体的に給与が引き下げられ、これで国民は納得…しかし、実は「その上」に、キャリア組専用の「新しい級」が設けられて、一番たたかれるべきものたちがのうのうとしている(下手をすれば、さらに給与アップ)らしいのです。
そして、「現場で働く」ものたちは一律減少…これで、「まともな改革」といえるのでしょうか?
加えて、「職責級」というもので、キャリアの連中が、一番「大もうけ」できるようになっているそうです。
次に、「天下り防止」ですが、聞くだけで怒りがこみ上げます。
「一般職員」の天下りは厳重に制限しておきながら、「一定の知識を持つゆえに必要とされるものについては、例外措置を設ける」という形で、もっとも「天下り」を起こすキャリア組は、野放し(に近い…内部事情を知らないと、なんともいえないのですが…)らしいです。
そして、「勤務時間の変更」についても、愚痴をこぼしておりました。
今まで8時30分から5時までと、普通のサラリーマンより優遇されていたようなのですが、それをサラリーマンにあわせるため、昼休みを45分に減少させ、終業時間を5時15分に延長する…ということらしいです。
これだけ聞くと、「当たり前じゃあ?」と思いますし、現に私もぽろっと口に出してしまいました。
しかし、公務員の官庁は、おおむね「市街地から離れたところに建設される」ことが多く、通うだけで大変な場所も、少なくないそうです。
(私も書類を出しに行って、「何でこんな不便なところに…」と、よく思いました)
話によると、「昔は墓地だった」所なども多く、夜は絶好の霊的スポットだとか…(怖)。
そういう「安く手に入る」ところを利用したため、利便性は二の次というのが現状のようです。
そういうところに行く人たちと、「霞ヶ関の交通が充実している人たち」を一緒くたにして時間を設定する…そう聞くと、彼の怒りも少しは納得がいきます。
少なくとも、「朝8時に入れというのは、全国を転々とさせられ、なおかつ住宅手当が100%出るわけでもない、うちらには無理なので、何とかそれだけは回避できて、ほっとしている」という彼の意見は、同調できそうです。
そして、さらに給料の比較基準を、「中小企業を含めた基準」に引き下げるそうです。
「専門的で、法律知識を常に必要とする」公務員(少なくとも、彼の職種は、業者や弁護士、最悪「暴力団」とやりあう大変なものです)に、「単純作業」と同じ給料の支給しかしてくれない…いくら国の財政がひどい状態とはいえ、「割に合わない」とこぼす彼の気持ち、よく分かります。
こんなところをいじめるのなら、不祥事を起こしたキャリアをどんどん「クビ」にすれば、その分こちらにお金がまわってくるのに…「身内をかばって」、減給などの軽い処分しか、科さないらしいです。
小泉内閣の「公務員制度改革」…果たして、本当に「国民のため」になるのでしょうか?
一番「国民と接する」公務員のモチベーションが下がっては、本末転倒だと思うのですが…。
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コメント
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結局 キャリアだけは相変わらず イイ思いをしているのですね☆
私も怒りがこみあげてきました。
昨日の朝ズバッ!というテレビで、議員宿舎のことを取り上げていました。
年収4000万の国会議員が 都心の一等地に一般家賃の1/10くらいで住める、と。
これも 腹が立ちました!!
「一般」をバカにしているとしか思えません。
投稿: のん | 2006年6月29日 (木) 17:24
私の会社は仕事柄、国土交通省やその他の省庁とのやり取りが多いのですが、特に国土交通省の天下り状態はひどいです!!
相変わらず財団はいっぱいあるし、何だかんだいっても、そういうところに天下りしていくのですよ~
70近くになっても働くなっての!!
高い給料貰うなっての!!
本当に腹立たしくなります。
結局、小泉さんは、このへんのことにはあまりふれませんでしたね?
私は小泉政権が成功だったとはとても思えませんよ~??
Kinako
投稿: Kinako | 2006年6月29日 (木) 18:34
のんさん、Kinakoさん、こんばんは。
この記事は、「又聞き」のため、絶対に「正しい」と言い切れないのは難点なのですが、それでもある程度の真実は含まれていると思っております。
To のんさん
彼曰く、「キャリアのための公務員制度改悪」だと、語気を荒くしておりました。
公務員宿舎も、のんさんが述べているような「特別扱い」のところを残して、「必用な」庁舎を国民と同列扱いにするために、削っていこうとしているらしいです。
本当に、怒り以外の感情が浮かびません。
まじめにやっている公務員に対する、背信行為のように思えてしまいます。
To Kinakoさん
いくら、「特別な知識がある」からといって、天下りを許すというのは、「社会全体の経済価値から見てマイナス」であると、私は考えます。
資格を持って、それを元に働くのであれば、70代くらいになって働いていても、問題ない(弁護士や、子供の更生などの職員は、むしろある程度の年季が必要だと思います)と思うのですが、「こういう」働き方を耳にすると、腹がたちますよね…。
小泉政権、私もはっきり言って、「国民に痛みを与えただけ」のように感じられて、なりません。
投稿: mark | 2006年6月29日 (木) 18:55
markさん、こんばんは。
改革の実態はこんな風になってるんですね。
見た目は改革でも本当の改革にはなっていないんですね。
やはり組織から独立した機関が入って実態を
調べて改革をしないと国民はだまされますね。
担当大臣に丸投げして改革は痛みを伴うなどと
ネコだましです。
小泉にはもう引退しろと言いたい。
投稿: Nasbon | 2006年6月29日 (木) 20:21
Nasbonさん、こんばんは。
あくまで「伝聞」で、裏は取っていませんが、それでも「公務員制度改革」が、どれだけ「改悪」なのかを推定させるのに、十分だと思いました。
国民は、「改革」の名前にだまされて、支持してしまっているのが、悲しくなります。
公務員も、ただ「いじめる」だけでは良くないと思うのですが…。
少なくとも、「現場で働いている公務員」と、「キャリアで国民に目を向けない公務員」とは、区別して考える必用があると、彼の話を聞いて実感しました。
小泉、引退はするようですが…。
この「路線」が受け継がれないことを、切に祈ります。
投稿: mark | 2006年6月29日 (木) 21:59