お台場への旅行 後編
前回、少し書きそびれたことがあったので、先にそれを書くことにします。
チョコレートの流通には、二種類のパターンがある…という説明も、受けました。
上が、仲買を通して流通するパターンで、下が組合を通じて流通するパターンです。
どちらにも、長所と短所があるのですが…特に、「国」が仲買となっている場合、フェアトレードなどの概念を、国自体に認識させる必要があるため、なかなか難しい…ということでした。
また、カカオの実を、冷凍保存したものも、見せてもらいました。
こんな形です。
新鮮なものは、赤や黄色に色づいているのですが、時間の経過とともに、こういった色合いになるとのこと。
かなりの大きさで、人の顔よりも、もしかしたら長いかもしれません。
さて、いよいよ、イベントの中で、一番興味のあった(笑)、チョコレートの食べ比べです。
実は…食べ比べをするときには、「作法」がある…なんていう説明も、受けました。
それによると、五感をフルに活用するとのこと。
まず、目でツヤや、色合いなどを確認し、次に鼻で香りを感じ、そして噛み締めたときの音を聞き、それから息を止め、口の中に広がる香りと味を感じ、最後に息を吸ってしっかりと味…特に、酸味や渋みなどがどんな感じかを確認する、というのが、やり方のようです。
そして、味を確認する際は、しっかりと「余韻」まで確認し、次のチョコレートに行く前には、必ず水などで、味覚をクリアな状態にしてから、食べる必要があるようです。
ここまで厳密にチョコレートを食べたことは無かったので…正直、ちょっぴり緊張。
それぞれのテーブルの上に、6種類のチョコレートが並べられました。
それを、指示に従って、試食するというスタイル。
さて、どんな味なのでしょう…?
まずは、ピンクの入れ物に入った、ピンク色のチョコレートからです。
これは…ストロベリーのフレーバーチョコのようです。
ホワイトチョコなのですが、甘みと酸味が強く、普通の物とは、ちょっと異なる感じ。
これは、オーストリアのゾッター氏(前回、オーストリアの人と書いた、その人です)の工場で作られた商品でした。
次に、同じくピンクの入れ物に入った、茶色いチョコレート。
こちらも、ゾッター氏の工場のものですが…チョコレートとしての風味は、ちょっと変わっていました。
ナッツ系のような風味を感じ、ビターな味わいで、落ち着いているのですが、やはり酸味がかなり強め。
カカオ70%のチョコレートということで、カカオの味がかなりしっかりしているものだったようです。
酸味があるので、私にはあまり向かなかったかも…。
そして、白い皿に直接乗っているもののうち、手前の方のチョコ。
ダゴバ(DAGOVA)と印字されているようですが…このチョコは、非常に独創的でした。
コーヒーのような風味で、非常に力強い感じの味わいで、余韻としてはちょっぴり渋みが残る…そんな感じの、他のチョコレートとは、一線を画するものです。
これは、別の国のカカオを用いた、フェアトレードのチョコレート…とのことでした。
続いて、緑の器に入っている、丸いチョコ。
これは、製菓用のチョコなので、風味がかなり違ってくる…とのことでしたが、果たして…?
…これも、ちょっと変わっており、香りが非常にフルーティーで、女性的な感じを受けるチョコレートでした。
そして、白い皿の奥側のチョコ。
これと、黄色い皿に乗っているチョコは、ゾッター氏の工場で、二つセットになって発売されているものらしいです。
さて、お味のほどは…?
香りは弱めで、甘みがやや強く、マイルドな感じでした。
そして、甘さの感じが、普通の砂糖と異なり、柔らかく、非常に私好み。
実は、砂糖ではなく、粗糖を使ったものだったようです。
最後に、黄色い器に載っているチョコ。
80%のものだけに、非常にビターで、くちどけもゆっくりしており、香りと味が両立している感じでした。
カカオ豆の味がしっかりしていて、ビターかつ風味があり、これまたいい感じ。
最初に食べたものと違い、酸味が弱いのも、私好みでした。
そして、質問などの時間が設けられました。
ここでも、いくつか面白いことを聞くことができました。
まず、チョコレートの「練り」は、短いと持ち味が十分引き出せないので、しっかり時間をかける必要があるのですが、長すぎても逆に良くないため、絶妙な加減を要求されるということ。
また、発酵によって、表面の白い部分を溶かし、風味を引き出すのと同時に、「発芽」を防止するという効果があるというのも、分かりました。
最後に、「チョコレートの生産国が、どこであるかにも注目する」ということを教わりました。
日本の場合、ガーナのチョコレートが70%を占めるため、味覚の根底に、ガーナのチョコレートがあるようです。
そのため、他の国のチョコレートと食べ比べるときに、ガーナのチョコを用意して、それと食べ比べるのも、面白いということでした。
もちろん、生産国がどこにあるかによって、フェアトレードの概念がどれくらい進んでいるか…ということに思いをはせることも、必用なようです。
2時間という長時間でしたが、非常に密度の高い時間でした。
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